シンガポールは1965年にマレーシアから分離独立した都市国家です。
でも住民の7割以上は中国系なので前述のフード・センターにあるお店も圧倒的にチャイニーズ。シンガポールといえばチキン・ライス…92年にしばらく滞在した時も、メニューが良く分からないので結局お昼は大概チキン・ライスを頼んでいた記憶があります。
先月1週間ほど滞在した香港は東京以上に建物が密集していて人ごみもすさまじく、まさに逃れられない都会の喧噪のまっただ中に自らを放り込んでしまった印象でしたが、シンガポールはと言うと熱帯ののんびりした風土の中に人工的に整備された街並が程良い秩序を与えていて、意外と快適に過ごせる都会と感じました。
移動のバスの中から見る景色には熱帯の木々が常に点在していた上に、それらの1本1本には熱帯雨林を形成し得る繁殖力を伴う見事な存在感があったため、整然とした街並につきものの空虚感はかなり和らげられていました。
人々の気質も甲高い声で早口にまくしたてる香港人と違い、概して穏やかでおっとりした口調。
人種的には中国系であっても、やはり風土的にはマレー半島に位置する熱帯の民。どこか安心する感じがしたのは、必ずしも自分がインドネシアの血筋を引いているという理由だけではなかったような気がしました。
そんな気質の差が料理にも表れているのでしょうか…全体に香港よりも味付けが控え目で優しい感じがしました。もちろんまだ自分が試していない辛い料理もたくさんあると思うけど、香港が良い意味で攻めて来るパンチのある料理だとするとシンガポールの中華はもう少し優しく包み込んで来るイメージ。まだ一概に決めつけることはできないので、これはまた次回の旅の時の宿題に…7月にリサさんのマレーシア公演が決定しているので、その時はできたらマレーシアからシンガポールまで列車で旅してみたいと思っています。
さて、最後はもう少しだけ写真を載せておきます。
(1)シンガポールにもただきれいに整備されただけではない場所もあります。リトル・インディア近くのムスタファ・センターの前にて。
(2)帰りのチャンギ空港にて。BENGAWAN SOLO(私が唯一子供の頃から知っていたインドネシアの有名な曲。今回のコンサートでも演奏し、私は恥ずかしながらインドネシア語で少し歌わせてもらいました)という名前のお店を見つけ、リサさんといろいろ試食。クエ・バンキッというココナッツ風味のお菓子を買いました。クエはインドネシア語で「お菓子」を意味します。